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『使い走り』(つかいはしり、原題:''Errand'')は、アメリカの小説家レイモンド・カーヴァーが最後に書いた短編小説。 == 概要 == 『ザ・ニューヨーカー』1987年6月1日号に掲載された〔ERRAND BY RAYMOND CARVER, June 1, 1987 The New Yorker〕。1988年5月刊行の精選作品集『Where I'm Calling From: New and Selected Stories』(アトランティック・マンスリー・プレス)と1988年8月4日刊行の短編集『Elephant and Other Stories』(コリンズ・ハーヴィル社)に収録された。 1987年の初め、E・P・ダットン社の編集者からフランス人伝記作家アンリ・トロワイヤの『チェーホフ伝』〔邦訳も存在する。『チェーホフ伝』(中央公論社、1987年11月、村上香住子訳)。〕が送られると、カーヴァーはやりかけていた仕事を中断しただちに読み始める。チェーホフの治療にあたっていたシェヴェラー医師がシャンパンを一瓶注文する場面でカーヴァーは「私は今一篇の短篇小説の中に送りこまれたのだと」感じ、本作品の執筆にとりかかった〔『THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND CARVER 7 英雄を謳うまい』 中央公論新社、2002年7月7日、214-215頁。「『使い走り』について」より。〕。合計で1ダースほどの文章をマイケル・ヘンリー・ハイムの訳文から抜き取り、少しだけ言い換えた文章を使用した。「実際に起こった出来事から逸脱するわけにはいかない」と彼は考えていたという〔キャロル・スクレナカ 『レイモンド・カーヴァー 作家としての人生』中央公論新社、2013年7月、星野真理訳、670頁。〕。最後の場面でホテルのボーイがとる行動は、テス・ギャラガーの提案によって生まれた〔キャロル・スクレナカ 『レイモンド・カーヴァー 作家としての人生』前掲書、671頁。〕〔D・T・マックス「誰がレイモンド・カーヴァーの小説を書いたのか?」 『月曜日は最悪だとみんなは言うけれど』中央公論新社、2006年3月、村上春樹編訳、47-48頁。〕。 『プライズ・ストーリーズ 1988』の第1位に選出され、『ベスト・アメリカン・ショート・ストーリーズ 1988』にも収録された。 日本語版は『マリ・クレール』1989年12月号が初出。翻訳は村上春樹。『THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND CARVER 6 象/滝への新しい小径』(中央公論社、1994年3月7日)に収録された。村上が編纂した、12編の作品から成る『Carver's Dozen レイモンド・カーヴァー傑作選』(同社、1994年12月7日)にも収録されている。全集第6巻はその後「村上春樹翻訳ライブラリー」シリーズでは、『象』(中央公論新社、2008年1月10日)と『滝への新しい小径』(同社、2009年1月10日)の2冊に分かれて出版された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「使い走り (小説)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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